Mutual involvement among young children with/without special educational needs: Whether and how "equality" is possible among them?

2007年から特別支援教育制度がスタートし，それまでの特殊教育の対象が拡張され，知的な遅れのない発達障害も対象とされるようになった。そして，一人一人の教育的ニーズを把握し，それに対応した適切な教育・支援が全ての幼稚園で目指されるようになった。障害児保育や幼稚園における特別支援教育体制に関する先行研究は多く，年齢が小さいほど統合保育の可能性が大きいことや幼稚園や保育所で障害がある幼児の受け入れが広がりつつあることが言われている。しかし，幼児期の特性の把握，診断の難しさ故，障害がある幼児の保育に戸惑う保育者は少なくない。そこで，本稿では，障害がある幼児と他児のかかわりの諸課題をまとめ，幼児の人間関係を築き，深めていくことに見通しをもつ一助としたい。具体的には，障害がある幼児と健常児が一緒に生活する統合保育1)や，同じ場で共に活動する交流教育2)についての先行研究を検討した上で，今後の研究の方向性を探りたい